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介護保険制度の導入を機に激務に追われ、会社側からは詰め寄られる日々。 事業部の売り上げは立ち上げ以来赤字続き。一刻も早い収益化を目指して会社の経営陣もいら立ちを隠せない。上司は激しく入れ替わった。事業部の収益が上がらなければ自分個人のノルマを達成していても給料は上がらない。会社の制度が理解できなかった。 そんな27歳のとき、介護保険制度の導入にともなって営業形態が「販売」から「レンタル」に移行された。今までの仕事の流れをゼロに戻し、商品やカタログ選びの段階から練り直していく。なかなか要領がつかめず、業務だけがふくれあがっていった。 赤字のために今以上に人も雇えない。自分が開拓した大切な得意先も他の者に任せるしかなかった。事業部の仲間も一丸となってそれぞれの業務に精一杯取り組む。帰宅は毎日深夜2〜3時。休日も返上して働いた。 「仕事を辞めて」。業務に忙殺される姿を心配して、育児をしながら正社員として働く妻から言われた。「意地でも今は辞められないよ」。どんな仕事をしてでも家族を養う自信はある。しかし、弱音を吐かず一緒に頑張ってくれている後輩たちを放って逃げ出せない。営業の仕事の効率をあげるための仕組みづくりに没頭した。 レンタル形態に移行されたことによって受注単価が下がり、売上は10分の1にまで落ち込んだ。「なぜここまで落ちる?」「別のやり方のほうがいいんじゃないのか?」 「在宅事業部をこのまま続けて大丈夫なのか?」。毎日のように社長室に呼び出されては上司と一緒に経営陣に詰め寄られる。1〜2年先には黒字化できることをデータをもとに訴え続けた。 しかし、6年分もの累積赤字がありながらも、新規事業ゆえに現場に任さざるを得ない経営陣からのプレッシャーはますます高まっていくばかり。後輩に以前から語ってきた「利益は後からついてくるものだ」という信念も少しずつ揺らいでくる。目の前の業務にただただ取り組むしか不安を解消する手だてはなかった。 迷いを断てた上司の言葉。顧客に役立つために仲間とともに成長していく。 「自分が正しいと思ったことをすればいい」。自分よりもつらい立場にいる上司からのひと言。「たとえ損をしてでもお客様の役に立つ。それを今までみんなで貫いてきたんじゃないのか?」。そんな自信を取り戻せた。入社当初の上司に何度も言われた「何ができるかよりもどうやったらできるかを考えろ」という言葉がよみがえってきた。 自分を信じ込ませて目の前の業務に打ち込み続けた。1年半後、予定より早く黒字化が実現。それからの2年間は月間目標を達成し続けている。経営陣の現場への理解も少しずつ深まってきた。 今年の6月から課長として40名の大所帯をまとめている。うれしい反面、かつてのように事業部の全員に目を配れない寂しさもある。管理職である以上は現場の業務は部下たちに任せなければならない。わかってはいても、お客様の生の声が聞けない寂しさや不安がつきまとう。そして、仲間を励ますだけでなく、時には叱りつけなければならない。最初の上司の気持ちが今になってやっとわかるような気がする。 就職を考えたときから、「自己成長」を指針として置かれた立場で仕事に精一杯取り組んできた。一生懸命だからこそ中学や高校のクラブのときのように経営陣や上司と激論を重ね、後輩にも真剣にアドバイスをくり返してきた。その時々は無我夢中でわからなかったが、今ふり返ってみると確かに成長を感じられる。 今後さらに、自分も事業部も成長していきたい。そして、これから入社してくる後輩たちにも成長した事業部のカラーを受け継いでほしい。 「仲間がもっと働きやすい環境を作っていきたい」という目標。そこに少しでも近づくために、今日もフロアに出て一人ひとりに声をかけていく。 物語に関するご感想などをぜひお寄せください。 |
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