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お金目当てで始めたバイト先の王将に入社。 |
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お金が欲しくて中学から始めた王将でのアルバイト。高校卒業と同時にそのまま就職するが、些細なことでケンカも絶えない。それでも23歳で結婚して子どもも生まれると、家族のために態度を改めて目の前の仕事に更に没頭した。先輩方の推薦で若くして店長にも抜擢されるが、信念を貫こうとするとスタッフから反発されて迷いも生まれてきた。 久保 正樹さん 33歳 京都市在住 株式会社王将フードサービス(山科区) [店長] |
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強さと優しさにあこがれた中高時代。王将でのアルバイトで出会った先輩の姿に魅せられた。 伏見に家を買って、車で道を譲ったのに会釈もしない人など義理を感じない人間が大嫌いな畳職人の父と、弁当工場などで働いて家計を助けるしつけに厳しい母に育てられた。一人っ子でも欲しい物はあまり買ってもらえず、家族旅行もほとんどなかった。 小4から空手を習い、集団登校で目が合っただけで手を出して、番長格の子ともケンカする。いつも遊びの言い出しっぺで、ヤンチャ仲間と教室でプロレスをして遊ぶ一方で、釣りのしかけを考えたり、推理小説を夢中に読んで、授業中に一度当てられれば後は別の子だからと手を挙げない、先のことも考える子どもだった。 週3で道場に通って厳しい練習で力をつけると同時に礼儀も学ぶ。「北斗の拳」のラオウの我が道を行く強さや、ときおり見せる優しさにあこがれた。 中学では、ビーバップを読んでは特殊警棒を持ち歩いて他校の生徒ともケンカをする。友人とゲーセンなどにたむろして語り合って、道場の社会人と練習後に遊ぶのが楽しい。モッズなどの詩に自分を投影していた。母に「公立に行くのが親孝行」と言われた受験が終わると、お金欲しさに年齢を偽って王将でアルバイトを始めた。 高校でも中型バイクが欲しくて王将でアルバイトをする。友人とバンドを組もうと声かけしても自分は参加せず、一人暮らしも3ヵ月で音をあげるが、王将では先輩たちが教えてくれる遊びや仕事が楽しくて、いつしか道場にも通わず土日も朝から働いていた。 普段はふざけていても、ピーク時になると膨大な注文を一つもミスなくこなす先輩にあこがれる。「同じバイトに負けたくない」と、鍋も使わせてもらった。 経営幹部から「ウチに就職しないか?」と直接誘われて、給料のよさにも魅かれて、決まっていた別の会社の面接も断って入社を決意した。王将フードサービスは、現在は440店舗網を持つ京都本社の上場企業である。 就職してもすぐに騒動を起こす問題児。23歳で結婚して、翌年には子宝に恵まれた。 先輩にしつこく注意されて殴り合いになったり、店に視察に来ている役員の前でも腹の立つ店長に小銭を投げつける問題児。「次にケンカしたら転勤やぞ」と言われ続ける数年間。自分より更に給料のよいトラック運転手や、日曜が休みの友人がうらやましい。しかし転職雑誌をときおり眺めても辞めようとは思わなかった。 結婚したい相手ができて母親に相談すると、「結納金を200万円貯めてこい」と言われて調理技術の向上にも更に力を入れる。厳しい先輩の指導のもと毎日のように同じメニューを作っては自分で食べ、大嫌いなレバーも1ヵ月以上食べ続けた。重い中華鍋でレジも打てないほどの腱鞘炎になっても上達するのが楽しい。しかし、アルバイトに理不尽に当たったり遅刻しても店長にしか謝らない先輩などとのケンカは減らない。 23歳でお金も貯まって結婚すると両親は他の費用を用意してくれていた。翌年に子どもが生まれると、妻に「コイツのためやったら死ねるな」と、決意を語るように言っていた。 「家族のために、腹の立つことでも笑わなあかん」と親身に語ってくれるマネージャーの推薦でチーフに昇格。それまで適当だった服装も改めた。新しい店長は仕事ぶりを見てくれて、「久保の言うことは俺の言うことや」とまで言って店長を目指すように勧めてくれる。しかし責任ある立場はうっとうしくて、「俺は名もなき実力者でええ」とうそぶいていた。 次のページヘ |
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